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その日の爆発
 何気ない朝に何気ない人間が目を覚ます。

 なんて気色悪い出来事かと思う。それを日常というのなら、そんなものはいらない。


 とノートの切れ端に書いたのはとうに昔の話で、そんな自分も日常を享受して生きている。日常の中の小さな変化を必死に見つけて、「今日」という日にスペシャルを見出そうとする。
 「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」とはよく言ったものだ。変わらないものは無い。何事も常に変化し続けている。そして、自分の日常も変化している、のか。

 朝のテレビを何気なく見ていると、アナウンサーがしんみりした顔で視聴者に告げる。

 昨夜未明、北東上幼稚園で思わぬ闖入者が発見されました。見つけたのは、幼稚園に遅くまで残っていた当直の先生でした。夜中に給食室で物音がするので近づいてみると、暗闇からチンパンジーが襲い掛かってきたというのです。それをなんとかかわし、30分にわたる格闘の末、捕獲に成功して警察に連絡、イタズラのチンパンジーは御用となりました。

 
 その日は会社を休んで動物園に行った。動物園にはチンパンジーがいて、それなりの日常を過ごしていた。彼らの日常を謳歌していた。

 昨日捕まったチンパンジーは、一体何を思い日常の壁を突き破ったのだろう。自分にもそんな日がくるのだろうか。

 そんなことを考えていると、サル山のチンパンジーを目が合った。無表情なチンパンジーは僕などまるで見てないかのようだった。しかし、次の瞬間、鼻で笑った。チンパンジーは僕を見下したのだ。そこから。そこから。そこから。



 そこから覚えてないんです。本当です。信じてください。僕はなにもしてないんです。僕じゃないんです。

 目の前にいる動物園の警備の男に必死に訴えるが、男は聞く耳を持たないといった様子で警察に連絡している。きっと会社にも連絡される。こうして自分の日常が崩れていくのか。
 
 なんて気色の悪い出来事なんだろう。夢なら覚めてくれ。
 

 
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